食品工場改修のワンポイント
衛生環境配慮の施工ディテール
建物内の清潔性を確保するためには、汚れにくく、清掃しやすい環境が求められます。内装材や仕上げのディテールが、食品工場全体の衛生環境を大きく左右するため、きめ細かな対策を行っています。
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床の隅の清掃しやすさ(R巾木)
防汚性や耐久性が求められる床にはウレタン樹脂などの塗床が適しています。また、埃や汚れがたまりやすい床の隅はアール仕上げにして清掃しやすくします。アルミ製品のR巾木もあり、後付け施工で簡単に取り付けることができます。
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汚れをチェックしやすいドア枠上部
ドア廻りは人の出入りなどで空気が流れやすく、室内の塵埃などの汚染物質が堆積しやすい箇所です。特にドア枠上部の汚れ(汚染物資)は製品の運搬中に落下するリスクもあるため、常に清潔さが求められます。ドア枠は汚れを確認しやすく清掃しやすい上部に傾斜がついているものが適しています。
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設備機器の壁埋め込み
空調機や電灯盤の上部やその廻りの配管類などの汚れは人目につきにくく、長期間堆積するとカビの発生や虫の生息環境になる恐れもあります。設備機器が並ぶ箇所などは壁で覆うことで、汚染リスクを低減し、清掃も容易になります。
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天吊型空調機の設置
室内空調機は、運転中に機器から結露水の落下やフィルター交換作業などのメンテナンスで生産機器を移動するなどの手間を避けるため、生産ラインの直上を避けて設置します。一般的には天吊型空調機が多く使用されています。
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断熱パネルにおける露出配管の施工
配管施工について、塵埃などの汚れが堆積しやすい横引き配管は極力天井内に設置し、室内の必要箇所には天井から垂直に配管します。また配管表面は汚れを容易に拭き取れる樹脂製カバーなどなど適しています。
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各作業室に設置される手洗設備
各作業室での手洗い設備にはステンレス製流し台(500mm各程度)に自動水栓、洗浄液、消毒液を設置します。作業員の手作業などによる汚染を低減できます。